こんにちは、ご訪問ありがとうございます。
最近、ラボグロウンダイヤ(人工ダイヤ)に関するニュースをふと目にしました。
「人工ダイヤが増えたことで、天然ダイヤの価値が3割下がった」
ダイヤが安く買えるじゃん!と喜んだ方がいるかもしれません。(ここに1名。笑)
逆に、ニュースを聞いて、不安になった方もいるかもしれません。
ダイヤ市場では今、静かな変化が起きています。
ただし、それは「すべての天然ダイヤの価値が下がった」という単純な話ではなさそうです。
今回は、ラボグロウンダイヤの登場によって、どのようなダイヤが価値を下げやすいのか、ハイジュエリーのダイヤの価値も下がるのか、整理して考えてみたいと思います。
ラボグロウンダイヤで価値が下がりやすいもの
まず、影響を受けやすいのは、ダイヤそのものの品質が、価格の大部分を占めているジュエリーです。
具体的には、次のような特徴を持つものです。
・ノンブランド、またはブランド力が弱い
・婚約指輪向けの定番デザイン
・0.2〜0.7ct程度の小粒〜中粒
・カラーやクラリティが平均的
・大量生産されているデザイン
このゾーンでは、ラボグロウンダイヤが、見た目、輝き、鑑定書の有無まで含めて
天然ダイヤとほぼ同等の選択肢として並ぶようになりました。
その結果、
「天然であること」だけでは
価格を支えきれなくなってきています。
鑑定書があっても安心とは限らなくなってきた
これまで、GIAなどの鑑定書が付いていれば安心、という考え方がありました。
もちろん、鑑定書は品質の証明として重要です。
ただし、今後は、鑑定書が価格を守る決定打にならないケースも増えていきます。
なぜなら、ラボグロウンダイヤも同じ基準で鑑定されるようになり、
「鑑定書付き=希少」という構図が崩れつつあるからです。
ブランドの後ろ盾や、デザインとしての価値が弱い場合、二次流通では、
「これはどこのブランドか」よりも
「石のサイズとグレードはいくつか」
という評価に集約されやすくなります。
新品価格と、売るときの価格のギャップ
もうひとつ重要なのが、買ったときの価格と、売るときの価格の差です。
天然ダイヤであっても、
・購入時は高額
・売却時は石の価格だけで評価される
というケースは、今後さらに増えやすくなります。
特にノンブランドのジュエリーは、デザインやストーリーが評価されにくく、
結果として
ラボグロウンダイヤとの価格差が一気に意識される場面が出てきます。
では、ハイジュエリーの価値は下がるのか
ひとつ前の記事で話題にしましたが、ハイジュエリーは値上げラッシュが来ています。つまり、ハイジュエリーのダイヤは、ラボグロウンダイヤの登場の中でも、比較的安定しています。
その理由は、ハイジュエリーの価格が「ダイヤという石」だけで決まっていないからです。
・どんな基準で選ばれた石なのか
・どのデザインの一部として使われているのか
・どのブランドの哲学の中で生まれたのか
こうした要素が重なって、価値が構築されています。
カルティエやヴァンクリーフのダイヤが評価されるのは、天然かどうかだけではなく、ブランドが長年積み重ねてきた信頼と審美眼があるからです。
ラボグロウンダイヤが登場したことで、逆に
「石としてのダイヤ」と
「ジュエリーとしてのダイヤ」の違いが
よりはっきりしてきたとも言えそうです。
まとめ:価値が下がるのは「ダイヤ」ではなく「前提」
ラボグロウンダイヤの登場によって、すべての天然ダイヤの価値が下がるわけではなさそうです。(残念。)
価値が下がりやすいのは、
・ノンブランド
・量産型デザイン
・石のグレードだけで価格が決まっているもの
こうした、ダイヤそのものに価格を依存しているジュエリーです。
一方で、ブランド、デザイン、物語を含んだハイジュエリーは、ラボグロウンダイヤ時代でも価値の立ち位置が大きく揺らぐことは考えにくい。
ダイヤの価値が下がったのではなく、ダイヤに何を求めるのかが、はっきり分かれる時代に入った。
そう捉えると、今起きている変化が少し見えやすくなる気がします。